【コロナ禍の一時帰国①】現地出国前の手続き等まとめ

ドイツlife

海外在住者にとって、一時帰国はとても大きな意味を持ちます。

大切な人に会わなければいけない人、日本で重要な手続きを行う必要がある人等、様々な事情があって急いで一時帰国する人もいると思います。

それ以外にも、自分の心を守り、住んでいる土地でまた頑張るために、一息おいて深呼吸することが必要な人もいると思います。

こんな時期ですが、私は後者の理由で自分には一時帰国が必要だと判断し、2021年4月26日に一時帰国しました。

コロナウィルスの猛威により、出入国の条件も刻一刻と変わり、なかなか手続きの全体像を掴むことが難しい状況になっています。

そこで、今回は私がドイツから一時帰国した際の状況をシェアいたします。

ドイツは新型コロナウイルスの高い感染リスクがあるとされる「リスク地域」に指定されています(2021年4月26日現在) 。そのため、本記事で示す私の状況は「リスク地域」からの帰国者の状況であることを踏まえていただけますと幸いです。

また、あくまでも、2021年4月26日時点のドイツから日本への一時帰国に関する情報であること、私個人の実体験をベースにしていることをご了承いただいたうえで、これから一時帰国を考えている方の参考としていただけますと嬉しく思います。

隔離日数のカウント方法

一時帰国に際し、隔離が必要ということは知っていても、実際の日数のカウントに戸惑ってしまう人もいらっしゃるのではないでしょうか。

ホテルの確保や滞在中の予定を正しく組むためにも、日数のカウントに間違いがないよう、気をつけましょう。

「リスク地域」からの入国者は、空港でのPCR検査の結果が陰性であっても、自宅等の自分で確保した隔離先にすぐに移動することはできません。まずは検疫所の指定する宿泊所で3日間の隔離を行った後に、自分で確保した隔離先に移動する必要があります。

隔離は、 日本到着日を0日とカウントし、検疫所の指定した宿泊所での3日間+自分で確保した隔離先(自宅やホテル等)にて11日間=計14日間
という計算になります。

隔離終了後の15日目から公共交通機関を使った移動等が可能となります。

私の場合で計算すると、次のようなスケジュールになります。

4月26日日本入国(0日目)
4月29日検疫所指定の宿泊施設退所日(当日に受けるPCR検査が陰性の場合のみ)
自ら確保した隔離先へ公共交通機関を使わずに移動
5月11日この日から公共交通機関を使った移動が可能

入国全体のスケジュール

先に示した通り、「リスク地域」からの入国者は、まずは検疫所指定の宿泊施設で3日間の隔離を実施することとされています。

この点を踏まえながら、入国に係る全体の流れをみていきましょう。

①コロナウィルスのテストを受け、検査証明書を取得する

②質問票の回答、その他書類やアプリの準備

③日本入国・空港でのPCR検査の実施

④検疫所指定の宿泊施設に移動

⑤3日間の隔離後、再びPCR検査を実施。陰性であれば、入国時に到着した空港に送り戻される

⑥残りの11日の隔離を過ごす滞在先に移動する (公共交通機関の使用はNG)

⑦11日間の隔離を過ごす

今回の記事では、出国前の手続きである①と②について詳しく説明します。

コロナウィルスのテストを受け、検査証明書を取得する

ドイツ出国72時間前までにサンプルの採取を実施した検査結果の証明書が必要です。

検査結果の証明書には以下3点の日時の記載が求められます。

1.検査結果書類発行日時(検査結果のフォーマット上では「交付年月日」)
2.検査結果判明日
3.抗体採取日時

このなかの「3. 抗体採取日時」が出国の72時間以内である必要があるので、注意してください。

検査証明書について、厚生労働省は所定のフォーマットを公表しています。
厚生労働省HPには、必要事項が記載されていれば所定フォーマット以外でも受付可能と書かれていますが、書類の不備を避けるためにも、 現地の医師に記入してもらう際は、厚生労働省所定のフォーマットを利用すると間違いがないでしょう。

厚生労働省の所定フォーマットは、日本語・英語の他、ドイツ語版も出ています。

厚生労働省HP( 所定フォーマットのダウンロード先)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00248.html

検体採取方法、検査方法に注意

日本入国の際に提示する検査証明書の検体採取方法として認められているものは、

1. 鼻咽頭ぬぐい液 (Nasopharyngeal Swab )

2. 唾液 (Saliva)

の2種類のみです。

ドイツで一般的な採取検体である喉咽頭ぬぐい液(Throat Swab / Rachenabstrich)は有効な採取検体として認められていません

詳しくは、在ドイツ日本大使館のHPをご覧ください。
https://www.de.emb-japan.go.jp/itpr_ja/konsular_coronavirus200421.html

検査方法も同様に、フォーマットに記載のあるもののみが認められています。

ドイツで広く行われている検査方法Antigen-Schnelltest(抗原迅速検査)は有効な検査方法と認められていないため、ご注意ください。

検査機関にフォーマットを記入してもらう際の留意点

現地のコロナテスト機関は、大忙しです。

そのため、複数人の目で確認してもらうことは期待しない方が良いと思います。

受けとったら、書類に不備がないか、その場で隅々まで確認してください。

私の場合は、パスポート番号や氏名等を間違われては困るので、以下のドイツ語フォーマットの囲み部分は事前に自分で入力し、検査機関に持参しました。

(出典)厚生労働省HP( https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00248.html

一部記入済みになっている書類を受け付けてもらえない可能性もありますので、念のため白紙のものも併せて持参すると良いでしょう。

質問票の回答、その他書類やアプリの準備

日本入国にあたり、WEB上での質問票の回答が義務付けられています(2021年4月26日現在)。

厚生労働省HP(質問票の入力について)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00251.html

この質問票は、必ずしも現地国出発前に回答しなければいけないものではななく、日本入国前(つまり、日本に到着した後、日本の空港で回答しても構わない)ということについて、厚生労働省の窓口に問い合わせし、確認しました。

実際に日本に入国した際も、その場でWEB上で回答している方もいらっしゃたので、本来はこの対応で問題ないのだと思います。

しかし、私の場合、ドイツ出発時、ミュンヘン空港でフィンエアーのチェックインを行う際に、回答済みの証拠として表示されるQRコードの提示を求められました。

もちろん、フィンエアーのグランドスタッフの方がそのQRコードを読み取って何かするということはなく、単に「回答済みかどうか」の確認だけでした。

航空会社等も、日々変わる各国の状況への対応に追われていることと思います。

確認を怠って日本に乗客を送ってしまった場合、航空会社の負担で本人を現地国まで輸送する責任が発生するケースもあるようですので、航空会社としても、念のため確認させて欲しいという気持ちになるのも当然です。

こちらとしても、出国前に準備できることをなるべく済ませておくと、急な提示要求にも安心して対応することができるでしょう。

日本入国時には必要だが、現地出国時には準備ができていなくても問題ないもの

厚生労働省の窓口に問い合わせし確認したところ、日本入国時に提出が求められるものの、現地出国の際には準備が整っていなくても問題ない(日本到着後、入国手続き前に済ませることができる)とされているものは、以下のとおりです。

・質問票の提出(回答後のQRコードの取得)

・ 誓約書の提出

・ 必要なアプリの登録

それぞれの項目について、私の体験に基づいて状況を解説します。

質問票の提出(回答後のQRコードの取得)

先述した通り、質問票は日本到着後、入国前の対応でも可能とされています。
しかし、私のように、現地国を出国する前に不意に尋ねられてしまう場合もあるかもしれません。
前もって質問票に回答しておくと日本到着後もスムーズに入国手続きに入れますので、現地出国前に回答し、QRコードをスクリーンショットしておくことをおすすめします。

誓約書の提出

日本入国に際し、私はJALを利用しましたが、上記の「誓約書」は機内でも配られましたので、十分に記入する時間がありました。

また、羽田空港でも誓約書をいただけるので、待ち時間を使っての記入で全く問題ないようでした。
現に、羽田空港到着後に記入している方もいらっしゃいました。

必要なアプリの登録

必要なアプリは、出国前にダウンロードしておくに越したことはありませんが、必須ではありません。日本に到着後、空港のWifiを利用してダウンロードしても良いでしょう。

アプリの詳細の設定などは空港でスタッフの方が丁寧に教えてくださいますので、出国前に自分で詳細設定を行う必要はありません。

私は、ダウンロードだけを出国前に済ませ、アプリ上の利用規約の同意等は何も行わない状態で、とりあえずスマホ上にアプリが入っているという状況で出国しました。

さいごに

ここまで、一時帰国に際し、出国前にすべきことをまとめました。

おさらいすると、現地出国前に絶対に準備しなければならないことは

  • コロナウィルスのテストを受け、検査証明書を取得する

この1点のみです。

しかし、不意に提示を求められる場合に備えて、また、日本到着後の手続きを円滑にするためにも、以下の準備も行っておくことをおすすめします。

  • 質問票の提出(回答後のQRコードの取得)
  • 誓約書の提出
  • 必要なアプリの登録

日本に到着してからも、空港でのPCR検査の流れや待ち時間、検疫所指定の宿泊施設への移動の流れ、利用料の有無、宿泊施設内での生活や検疫所指定の宿泊施設を出る際の流れなど、不明点は尽きないことと思います。

次の記事では、これらの不明点に対する解説と併せて、日本入国から14日間の隔離終了までの流れを伝えします。

様々な理由で現在海外にいらっしゃる方の、帰国時の参考になりましたら幸いです。

Be yourself, be happy!
Anna

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