男の子のパンチキック問題–日本とドイツの子育ての違い–

ドイツlife

現在私は、ドイツ人パートナーと、パートナーの子どもであるステップソン(小学校1年生)と住んでいます。ドイツに移住してからというもの、生まれて初めての子どもとの生活、しかも海外、しかも英語という3つの「初めて」に圧倒されていましたが、パートナーのステップソンへの接し方などをみていくうちに「日本とは違うところもあるんだなぁ」」と感じる機会が度々あります。

日本では子育て経験はありませんが、自分の子ども時代、公共の場で見かける子ども、知人友人の同年代の子どもと比べて、感じた日本とドイツの子育ての違いについて、少し書き留めておきたいと思います。

世界中の小1男児は戦い好き?

幼稚園~小学校低学年の男の子って、とにかく何かと戦っていますよね?戦い大好きで、いつも「ドゥクシ」という謎の効果音を響かせている印象です。実際、この年代の子どもたちから遊びの一環で蹴られたり、パンチをくらわされたりした経験がある方もいるのではないでしょうか(私はあります)。

ステップソンも、やっぱり男の子。海賊ごっこやカウボーイごっこ、忍者ごっこが大好きで、私がいつも悪役をさせられています。(そりゃあ、誰でも正義のヒーローになりたいですよね)

それでも、蹴ったり叩いたりしてきません。おもちゃの刀を使ってのちゃんばらごっこも大好きなので、たまにヒートアップして思いっきり振りかざしてくることはやっぱりありますが、「痛いよ!手加減しながら遊ぶって言ったじゃん!」というと「ごめん。わざとじゃないんだ」と素直に謝ってきます。

またある時、レゴで海賊ごっこをしていた際(例によって私は悪役)、「最初、Anna(私)は敵で、ボクのお宝を取りに船に乗り込んでくるんだ。でも、最終的には仲良しになるっていうストーリーだからね、わかった?」と演技指導監督ばりに指示を出してきます。なんだかストーリーも朗らかだなぁ、と思ったことを覚えています。

原因はテレビ番組?

ふと、ステップソンが見ているテレビのことを考えました。

初めて ステップソンが見ているテレビを観察(?)した時は、ガーフィールドやディズニー等、日本だと幼稚園の子が見るような可愛らしいストーリーを見ているんだな、という印象でした。よく考えると、日本だとこのくらいの年代の男の子って、戦隊ものに夢中ですよね。幼児期だと、アンパンマンも大人気です。

実は、これらの番組は結構、パンチやキックなど「直接的に攻撃する場面が描かれて」います。
今は状況が変わったのかもしれませんが、私が小学校低学年だったころはドラゴンボールも大人気でした。キャラクターたちはもちろん直接的に蹴ったり殴ったりして戦いますし、ケガもするし出血もします。敵がヒーローに対して「〇ねー!」等、日常生活で使うにふさわしくない言葉も出てきていました。

対して、女の子向けの番組に目を向けても、確かにセーラームーン(年代バレる)から始まり、プリキュアに至るまで、女子も戦っています。

しかし、よく考えたらセーラームーンやプリキュアのキャラクターは、キックやパンチでは戦っていません。魔法?を使ったりして、相手に直接触れることなく戦っているケースがほとんどだと思います。

そんな取り留めもない気づきを、ステップソンが生まれたときからシングルファザーとして子育てしている夫に投げかけてみたところ「ステップソンが見るテレビ番組には、常に気を払っている。親と離れて寂しいというストーリーは見せないようにしている。ファインディングニモもだめ。」との回答。暴力的な表現については「トムとジェリーがマックスレベル」とのこと。

確かに、トムとジェリーって、戦う(?)話ですけど、知恵をひねって相手をギャフンといわせる系(?)ですよね。相手にちょっかいを出すのも、なんだか愛情すら感じます。

テレビや映画の制限について、日本では「R18」、「R15」を見かけますよね。ドイツではそれに加えて、「R12」も良く見かけます。(日本にもあるようですが、あまり見かけないことに加え、視聴側も注意を払っていないように思います)

有名なところで言うと、ジュラシックパークシリーズではドイツではR12の制限がかかっており、Netflixなどで子どものチャンネル制限をかけている場合、暗証番号の入力が求められ、子ども一人では見られない設定になっています。

でも、戦隊ものって避けて通れない

「男の子の暴力性とテレビ番組には関係があるんだろうなぁ」とぼんやり考えていたところ、興味深いレポートを見つけました。

大阪市立大学生活科学部紀要(1982年) に掲載されている「 テレビの攻撃的モデルと幼児の攻撃行動 」です。
参考: 大阪市立大学生活科学部紀要(1982年)「 テレビの攻撃的モデルと幼児の攻撃行動 」( 後浜恭子 ・兼弘敦子 )
URL: https://core.ac.uk/download/pdf/35274954.pdf

このレポートでは、暴力的番組を見た児童に対して、大人がどのような態度をとるかによって、児童の暴力性が左右されることが示されています。

つまり、暴力的な番組を見た後に、子どもが暴力的行動や言動をとった際、それを大人が放置したり、助長するような発言(例:「すごいねー」、「かっこいいね」等)を発することによって子どもの暴力が一層現れやすくなるということです。

大人が子どもの暴力的な行動や言動を「放置」することも、子どもの暴力的な行動を一層現れやすくしてしまうことは、見逃せないポイントです。

打開策:大人の意見を伝える

レポートも踏まえつつ、日本の状況に立ち返って考えると、なかなか複雑な心境になります。というのも、仮面ライダーやウルトラマン、その他の戦隊ものやアンパンマンはとても長寿番組です。親もこうした番組を見て育ってきているので、番組の中に気に留めるべき表現があった場合も、疑問を持ちにくい状況になっていることが考えられます。

更に、周りの同世代の子がみんな同じ番組を見ているため、幼稚園や小学校でも話題にのぼりますし「ごっこ遊び」に自分の子どもだけ参加できないというのも中々辛い状況です。こうした状況のなか、自分の子どもにだけ見せないという選択はやはり難しい場合が多いのではないでしょうか。

現実的な「男の子のパンチ、キック問題」の解決のためには、番組を見せつつも、暴力行動について話し合いの機会を設けたり、暴力的な行動があった際に相手がどう感じるかを伝えることが重要になると思います。

先述のレポートでも、大人が暴力を非推奨する発言をした場合、子どもの暴力的行動は現れにくくなる旨が示されています。

まとめ

以前、ステップンがピストルのおもちゃに夢中になり、どこへでも持って行きたがって、ふざけて車の中から外を打つ振りをしたことがありました。

その時、パートナーは「ピストルとは何か」「今のステップソンの年齢で武器のおもちゃ遊びを制限すべき理由(実際に、夢中になりすぎて自分でコントロールできていないということの説明)」の話をし、その日からしばらくは家の中でもピストルのおもちゃは禁止になりました。

パートナーの話は、まだ子どもには難しいのではないかと聞いたところ、「100%理解していなかったとしても、一緒に話すことが大切。ほんの少しでもわかってくれればいい。」と言っていたことが印象的でした。彼の方針として、”ほんの少し”わかってもらうために、話を切り取ったり簡略化したりせず伝えるように心掛けているとのことでした。

きっとステップソンも、話の内容全ては理解できなくても、子どもだからと軽んじられるのではなく、親が自分を信頼し、自分に向かってちゃんと説明してくれるという経験の積み重ねは自信につながると思います。

親に限らず、子どもを取り巻く大人が、子どもが触れるテレビやメディアの影響もふまえつつ、子どもにとってのhappyは何かを考えることが重要ですね。

今回はテレビとの接し方、男の子の暴力的な行動について感じたことを書きました。
日本と外国の子育てって、結構違う面があるんだなぁと日々思っているので、また順番に書き記していきたいです。

Be yourself, be happy!
By Anna

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